やりがいばかりじゃない?設計の仕事の大変なところとは

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    M・S

    2015年入社(中途入社:9年目)

    休日は子どもと遊びに行ったり、DIYをしたり作曲などを行なったりもします。ゲームも好きです。

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    この仕事の大変なところ【設計】

    ニーズと歴史を知ること

    私が設計において大変だと感じる点は2つあります。まずは前提として、そもそも設計をしていく上で構造を考えることはそこまで難しいことではないんですね。

    たとえばA4の紙が2枚あるとします。手段は問わないのでそれらの紙をつなげてくださいと言われたら、ホッチキスでもセロテープでも、糊でもくっつけることはできると思います。それが「構造を考える」というところに該当するわけですが、実際にはそこに「お客様からのニーズを満たすこと」が求められるわけです。だから「止め具が見えないようにしてほしい」と言われた場合には、当然ホッチキスで止めることはできなくなりますよね。このようにニーズに応えることの難しさや大変さはあると感じます。

     

    それともうひとつは歴史を知るということ。たとえば爪構造をイメージしてみてください。おそらく設計未経験の方でもイメージできると思いますが、樹脂の爪がカチャンとはまっているだけのあれです。でも、現在のあの形に行きつくまでにはさまざまな過去の経緯があったわけです。私が設計を始めたのは20年前なのですが、当時と今とでは取り付け方が変わってきているんですね。20年の歴史の中で、不具合が起きては改善がなされを繰り返し、その積み重ねの歴史の中で今の形状ができたということを理解する必要があるのです。それらを知らず、勉強をせずに設計をしていてもお客様のニーズに合ったものを設計することはできないのかなと思います。

    極端な例をいえば、走行していたらバンパーが落ちちゃうとか。自動車部品の設計=人の命にも関わってくるものなので、浅はかな考えでやれるものではない。

    だからお客様のニーズに対して応えることと、歴史を深く知ることにより今の構造があるというのを理解すること。この2つが設計に対して一番難しく大変だと感じます。

    この仕事の大変なところ【折衝】

    調整の大変さやミスによる認識の相違

    私は現在トヨタ車体さんで設計を行なっており、さまざまな方と関わり合いながら仕事をするのですが、私たちからすると後工程に関係するすべての方がお客様だということ。エンドユーザー(車を購入して乗られる方)がお客様という認識は当然みなさんの共通認識だと思うのですが、たとえばその前にいるカーディーラーの方、工場で製造に携わる方など、そのすべてがお客様だということです。

     

    そのなかで、設計したモノの作りやすさ、組み付けやすさ、利益に関わってくるコスト、燃費に関わってくる質量など、そうしたものを設計が調整しているわけですね。なので多方面のいろんな方とコミュニケーションをするのですが、そこには折衝ならではの大変さがあります。たとえば「こっちを立てるとこっちが立たず」といった具合にすべての部署を取りまとめたり、折り合いをつけるのはやはり大変なところだと感じます。

     

    折衝で失敗したこと

    本来ならメールなどのデータでやり取りしなければいけなかったことを口頭で指示したために、双方の意思疎通ができておらずミスにつながってしまった例があります。ほかにもエビデンスを残していなかったために「言った言わない」ということにもなりかねないので、データでやり取りを残すことは大切な部分ですね。

    この仕事の大変なところ【法規】

    関連法規は設計と密接に関係する

    設計未経験の方はあまり知らないことかもしれませんが、わりと法規に雁字搦め(がんじがらめ)な部分が多いんですね。当然作っているのは日本向け車種だけではないので、グローバルに販売される各車種においてそれぞれの国の法規に対応した設計をする必要があるわけです。とはいえ、国ごとに新しい部品を作るとなれば当然コストが上がってきてしまうので、そこをどれだけ共通化できるかといったコスト意識をしなければならないのです。いかに世界で売れる車を、各法規に即しながら安く作っていくかというところが求められますよね。

     

    各国の関連法規はどれほど違うのか

    大まかにいうと共通部分が多いのですが、細かい部分では数値が違ったりなどします。例えば中国は5だけど他の国は2といった具合に。そうした場合に5を満たせる設計、デザインに要求をしなければならない。でもそれをやってしまうと見た目がカッコ悪くなっちゃう。結論「その国専用のモノを作る?作らない?」という場合には、コストや条件などを製品企画センターに相談したりします。法規なので1箇所でもミスをするとその国では売れなくなってしまうので大変ですよ。

    大変なやっちまったエピソード

    20年ほど前、まだ私が新人ぐらいの時です。当時、台湾で製造される車種の構成部品の一覧表に変更があり、その修正を任せられた私は言われた通りに修正して出したんですね。そして、その表をもとに各部品が工場に納入〜製造されていくわけですが、1個抜けている箇所があって…。それも外装のエンブレムが…。

     

    まさかのエンブレム漏れ?そこもっと詳しく

    たとえば外装に貼ってある「4WD」だとか「車の車名」などあるじゃないですか。それが「4パターンに分かれるから、その4パターンを作ってくれ」と言われていて、私が修正作業をする際に「1回サラから作った方がいいよ」とアドバイスをもらったので元のものを消し、改めてその4パターンの変更点のみを入れて出しました。そうして製造も進み、この時点では台湾の工場の人もエンブレムが付いていないことに違和感がなかったらしく、発売する1ヶ月前のタイミングで台湾の工場の方から「今までエンブレムが付いていないんだけど?」と連絡が入ったんですね。「え?あ、あれ?おかしいな」と表を見た時に「………な、ない…」と。

    国内工場などにあるエンブレムの在庫をかき集め、輸送だと間に合わないので上司に飛行機で飛んでもらい、直接現地工場まで届けていただくことに。販売には間に合ったのでことなきを得たのですが、だいぶまずかった私の中で一番のやらかしエピソードですね。

    株式会社システックス

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